自己分析 2018年11月08日
「就活ルール」に惑わされるな!情報戦を制する者が就活を制す
日本経団連の中西宏明会長が、いわゆる「就活ルール」の廃止に言及し、さまざまなところで議論の話題になっているのは、みなさんもよくご存知のことと思います。
そのような中、先月26日、政府は2022年卒業以降の学生についても、今までと同じスケジュールでいくことを確認しました。つまり、現在の大学1年生まで、就活が今までと同じ日程で進んでいくということになります。
これは、大学側が心配している就活の早期化と学業への影響に配慮したものです。どうなるのやらと不安に感じていた学生さんにとっては、ほっと一安心といったところでしょうか。
ここで改めてどんなスケジュールで進んでいるのか、確認してみましょう。まずは、こちらの図でご確認ください。
みなさんの先輩方にあたる2017年卒からこのようなスケジュールになっています。大学3年生の3月に「就職ナビサイト」がオープンとなり、6月に面接選考開始という流れになっています。
ところが実際はどうだったかというと…
先のスケジュールよりも前倒しして、就活が進んでいるのです。この傾向は、ここ数年変わることなく、それどころが人手不足を背景に、「優秀な人材を早めに確保しておきたい」といった思った企業が、どんどん早めに仕掛けているのです。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?それは、この「就活ルール」が持つ”特殊性”にあります。その特殊性とは、以下2点です。
①日本経団連に加盟している企業への適用が中心
日本経団連とは、日本を代表する大手企業1,376社(2018年5月31日現在)で構成されている団体です。政府に対してモノを言う圧力団体としての側面もあり、日本経団連の会長は「財界の総理」と呼ばれることもあります。この日本経団連と安倍首相が、「就活のルール」を決めているのです。
ここだけを見ると、ほとんどの企業に適用されるのではないかと思うかもしれません。
しかし、総務省の調査によると、日本全国にある民間企業は約382万社。382万から日本経団連に加盟している企業の1,376社を引くと、日本経団連に加盟していない企業の方が圧倒的に多いことがわかります。
ということで、日本経団連に加盟していない企業は、このルールの適用外となり、ルールを守らなくてもよいということになります。したがって、ルールを無視して自社のタイミングで採用をやっている企業が多いのです。
②罰則協定がない紳士協定
この「就活ルール」、実を言うと罰則規定のようなものがありません。つまり、ルールを破ってもお咎めなしで、「守ってほしいけど、守らなかったからといって、罰せられるということはない」ということなのです。
実際、2017年卒の就勝ゼミナール生の話ですが、日本経団連に加盟している超大手企業から、3月20日に内定をもらっていました。このことから、もはやこのルールが形だけのものであることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
通年採用、インターンシップ採用などがトレンドに
もはや形骸化した「就活ルール」なので、自社のタイミングで採用活動を行っているところの方が多いようです。
実際、外資系企業や在京キー局(テレビ局)の選考がはじまっています。下手すると、年内には採用活動そのものを終えてしまう可能性が高いでしょう。
メルカリ、ソフトバンク、マイクロソフトなどの大手企業は、通年採用を実施しています。通年採用とは、年がら年中採用を行っているということです。詳細はその企業に確認する必要がありますが、早めに手を挙げてエントリーして、採用試験を受けたら、早いもの勝ちで採用が決まっていくということもあると聞きます。それもそのはず、企業にしてみれば、優秀かつ意識の高い人材を確保できれば、それでよいわけですから。
また、あのサイバーエージェントは、インターンシップを「選考を兼ねています」とハッキリ言っているそうです(2018年卒採用)。ベネッセコーポレーションは、インターンシップに参加しなれば、本選考に参加できないそうです(2017年卒採用)。インターンシップを「選考とは関係ありません」と言っておきながら、実際は採用に直結させている企業とは異なり、ある意味潔い対応といえるでしょう。
いずれにせよ、特に冬季インターンシップを実施している企業は多く、選考に直結していることもあるので、今のうちから準備をしておく必要があると思います。
このように、すべての採用は企業のタイミングで行われています。みなさんが乗りたい時間帯に、自分の都合で電車が動いてくれないのと同じです。そうした採用という名の電車に乗り遅れないよう、「就活ルール」に惑わされることなく、行きたい企業の情報は自ら取りに行くようにしましょう。
▲写真はイメージです
今週もお読みいただきありがとうございました。また来週、お目にかかりましょう。